ACTとは

ACT(包括型地域生活支援プログラム)

 

ACT(包括型地域生活支援プログラム)は、重度の精神障害者が地域で安心して生活できるよう、多職種によるチームが医療、福祉、生活支援を包括的に提供する取り組みである。米国で1960年代後半から1970年代初頭に始まり、その有効性が欧米各国で認められ、日本でも2000年代以降、本格的に導入が進んだ。

 

ACTは病院中心から地域中心への転換を促し、再入院の減少、地域定着率の向上など、生活の質の改善を実現を目指す。欧米諸国に広がった後、日本ではACT-J(国内初のACTチーム)が千葉県市川市などで導入され、臨床研究や就労支援の実践が報告された。利用者の「生活している場」に直接訪問しサポートを行う「伴走型支援」が特徴で、個々の生活環境・家庭環境を踏まえた支援が求められる。

 

現代日本における課題としては、ACTは日本では制度化されておらず、資金や人材の持続的な確保が困難であることや、福祉、医療、労働などの関係機関の連携や情報共有などが考えられる。

 

ACTは地域包括ケアの中心的役割を担いながら、制度的な壁、資源確保、多職種連携など現代日本ならではの課題に直面している。今後も利用者・家族・地域社会と一体となった支援モデルの確立が期待されている